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<<   作成日時 : 2009/08/31 14:27   >>

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「レスラー」

監督  ダーレン・アロノフスキー
出演  ミッキー・ローク   マリサ・トメイ   エヴァン・レイチェル・ウッド


 
 かつて、リングのヒーローとしてマスコミにもてはやされていたランディだが、今や週末に開催される場末のリングだけが生きがいだ。
 
 家賃を滞納しようとも、体のケアだけには手を抜かない。
耳に補聴器を付け、常に老眼鏡を手放せない中年男が、ほつれたみすぼらしいダウンに身を包み、いそいそと日焼けサロンや美容院に通う姿は、もの淋しいかぎりだ。
ところがある日、試合直後に、彼は心臓発作を起こしドクターストップがかかった。

 さて、これからどうやって生きていこう。

 生活費を稼ぐため、スーパーのお惣菜コーナーで店頭販売をはじめるも、気難しい客相手の仕事は苦手だった。
 行きつけのバーのストリッパーに声をかけるも、生活能力がないと相手にされない。
しかも唯一の身内である娘との仲も、修復は叶わなかった。

 何もかも、プロレス一辺倒で、自堕落な生活を重ねてきた自分自身に責任があるのは、彼とてわかっている。
たいていの人は、こんな現実をしぶしぶ受け入れ、夢を捨てて生きていく。
しかしランディは、みじめな人生を捨て、死ぬ覚悟で再びリングに臨んだ。
 
 印象的なシーンは多いが、なかでも愉快だったのは、レスラーたちの控室。 
 落ちめとはいうものの、若いレスラーたちは年長者であるランディに礼儀正しい。
また対戦相手とは、憎むどころか、互いにいたわり、入念に試合の打ち合わせをするなど、プロ意識が高くまじめな姿はちょっと意外。
マッチョな体に似合わずレスラーたちは、とても繊細で優しいのだ。
ランディがリングを選んだ理由もうなずける。

 バンテージにこっそりカミソリの刃をしのばせてリングに上るランディの傑作な演出にも爆笑した。

 白熱の試合の裏に仕掛けられる、さまざまなアイディアとレスラーたちの血のにじむような苦労話など、どれも新鮮で目を見張る。 
とりわけ、傷だらけの体で互いを讃えあう試合後の姿は、胸がジーンとなった。

 生きながらえ、人生を全うするのもよし。
しかし、大好きなリングで燃え尽きることを選んだランディの生き方も、羨ましいほど潔く美しいものに思えた。


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「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」「ナイン・ハーフ」「エンゼル・ハート」などの作品に出演し、主に80年代に活躍した米俳優、ミッキー・ローク主演のヒューマン・ドラマ「レスラー」(2008年、米、109分、ダーレン・アロノフスキー監督、R−15指定)。この映画は、M・ロークがかつて、脚光を浴びた人気プロレスラーの孤独な後半生を自らの役者人生と重ね合わせながら、哀愁に満ちたものとして描いている。本作はベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、オスカーでは主演男優賞や助演女優賞にノミネートされた。 ...続きを見る
シネマ・ワンダーランド
2010/02/21 03:24
mini review 10443「レスラー」★★★★★★★☆☆☆
自らの生き様を貫き通す中年プロレスラー役がミッキー・ロークのはまり役となり、数々の映画賞に輝いたエネルギッシュで感動的な人間ドラマ。監督は『π』『ファウンテン 永遠つづく愛』のダーレン・アロノフスキー。主人公の一人娘には『アクロス・ザ・ユニバース』のエヴァン・レイチェル・ウッドがふんし、主人公が好意を寄せるストリッパーを『いとこのビニー』のマリサ・トメイが演じる。栄光の光と影、落ちてもなお失わない尊厳を体現するミッキー・ロークの名演に、大きく心を揺さぶられる。[もっと詳しく] ...続きを見る
サーカスな日々
2010/02/23 23:37

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内 容 ニックネーム/日時
はじめまして

レスラー人生もピークを過ぎ、娘とは絶縁状態、ステロイドの影響で心臓は弱っているありさまの中年レスラー ランディー。

せっかく 親子関係を修復するチャンスだったのに娘さんとの約束すっぽかすのは さすがにマズイよ〜(´Ц`)
自分には「この場所しかない」不器用な生き方しかできないランディーは やはり 悲しい男です。

あっ、そうそう・・・同じミッキー・ロークの主演の「ホーム・ボーイ」という'88年の映画 しってますか?こちらは、ロークが アメリカ各地を渡り歩く流れ者ボクサーのジョニー役です。元妻のデボラ・フューアーと共演しています

 これ以上説明するとネタバレになりますので 省略しますが レスラーのランディーとはまた違った男の不器用さを「ホーム・ボーイ」のジョニーは持っています。

 「レスラー」と「ホーム・ボーイ」 ともにミッキー・ロークの主演で、ふたりの不器用な男が主人公 ランディーとジョニー

 ふたつの作品を比べながら見るのも 悪くないですよ
zebra
2012/02/06 21:14

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