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zoom RSS 「スラムドッグ$ミリオネア」

<<   作成日時 : 2009/06/13 10:57   >>

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「スラムドッグ$ミリオネア」
監督   ダニー・ボイル
出演   デーヴ・パテル  アニル・カプール


 インドのスラム出身の青年が、クイズ$ミリオネア最終ステージに勝ち残った。
無学の彼が、なぜ正解できたのか?
不正疑惑で逮捕された主人公ジャマールは、辛い過去にその答えがあったことを明かしていく。

 映画は、貧困にあえぐインドスラムの極貧生活を赤裸々に映し出しながらも、そんな所でも子供たちは、底抜けに明るく逞しく生きていて、運命はそんな彼らの味方なんだと陽気に伝える。

 粗末なバラック小屋が延々と広がるムンバイのスラム。
母親を宗教がらみの暴動で亡くした幼い兄弟に、コーラをあてがって近づいてくる人身売買の男。 
危機一髪のところで逃げ出したものの、空腹に耐えかねた二人は、他人の食べ物を盗み、やがてイカサマ商売にも手を染めていく。
それは、まぎれもない犯罪だ。
しかし、幼い兄弟が知恵と勇気をふり絞り、パワー全開で生きている姿は、悪びれる様子もなく、大人顔負けの度胸と真剣な態度に圧倒された。

 そして後半、ミリオネア最終問題でテレホンを選択する場面はとくに印象深い。

 ミリオネア出場の目的は、お金ではなく、生き別れになったラティカとの再会を果たすためだったと告白するジャマール。
すると、その言葉を受けるように運命の赤い糸は、二人をぐいぐい引き寄せ、いくつもの偶然を重ねながら、思いもよらない方法で二人を引き合わせる。

 しかも、この仕掛け人が、ジャマールの兄だったことが、なんとも切ない。

辛い幼少期を共に歩んできた兄弟だが、ここにきてその運命は二分した。

 ジャマールは寝ても醒めてもラティカを想い、彼女と結ばれることだけを夢見て生きてきた。
いっぽう兄も、貧困から抜け出そうと必死にもがいていたことは確かだが、闇の世界にいては、その夢も叶うはずはなく、絶望から死を選んでしまったにちがいない。
ボスを殺害することで、弟の念願の夢が叶うならばと、彼が最後に見せた兄弟愛は、その皮肉たっぷりの描写もてつだい、強い悲劇性を感じた。

 純愛を成就させ、幸福の絶頂にいる二人の陰で、虫けらのように消えていく兄のような人々が多数存在することも、またインド社会の抱える大きな問題にほかならない。

 とはいえ、天真爛漫な汚物まみれの少年が、紆余曲折の人生を経て、みごと純愛を手にいれるハッピーエンドは、私たちの心を明るく元気なパワーでいっぱいに満たしてくれた。


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2009/07/15 00:58
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんわ!久しぶりにお邪魔します。
私もこの映画、劇場で見ました☆
一番印象に残ったのは、目を失ったかつての仲間が「偉くなったんだね、ジャマール。」と言うシーンです。一気に涙がこみ上げてきてしまいました。
だって彼は、気付かないと思っていたから。
マキサ
2009/06/13 20:39
マキサさん、コメントありがとうございます(*^_^*)
光を奪われた少年と再会するシーンは、胸が締め付けられました。
本人の努力だけでは報われることのできないインドの闇の世界を垣間見たようで、とても切ない気持ちになりました。
つばめ
2009/06/14 21:51

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