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<<   作成日時 : 2009/04/18 17:25   >>

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「ジュノ」
監督   ジェイソン・ライトマン
出演   エレン・ペイジ   マイケル・セラ


 16歳の女子高生ジュノは、好奇心からセックスし、望まない妊娠で生まれた赤ん坊を里子に出すという選択をする。

 アメリカの女子高生の妊娠出産に対するドライな考え方や、今時の若者文化を同時に垣間見ることのできるユニークな作品だ。
 
 フリーペーパーの里親記事のなかから、金持ちで優しそうで美形のまさに理想的なカップルを選んだジュノとその親友。
こんな夫婦なら赤ん坊をいい環境で、何不自由なく育ててくれるにちがいない。 
それになにより、養育能力のない自分にとって好都合だ。 
そう考えた彼女は、このお手軽でしかも合理的な里親制度に、喜んで飛びついた。
 

くよくよ悩むことは、何か暗くてダサいこと?
他人の前では弱みを隠し、やたら虚勢をはるジュノ。
経験不足でよく分かりもしないくせに、したり顔でなんでも決め付けてしまう。

 自己中心的で安易な選択によって、赤ん坊のかけがえのない命が弄ばれていくのを見ると、なんだか許せない気分になる。
赤ん坊が気の毒でならない!

人間の尊厳にかかわる重大な問題も、ジュノの口にのぼると、プチ悲壮感といったニュアンスしか残らず、その本質はいつのまにかはぐらかされていく。

 場当たり的で、自己中心的そのうえ無責任。
楽に生きることをよしとしている両親を見習い、現代っ子ジュノも自然とそんな生き方になびいていく。

 将来この赤ん坊がモンスターに成長し、不幸にも社会を敵にまわす結果になったとき、誰にも責任はなかったといえるだろうか。
 仕方がなかったでは済まされない重大な過失ではないのか?この選択は。
問題を先送りにしたツケは、必ずや近い将来赤ん坊の人生に影響を及ぼすことは必至だろう。
 

 ”爪がはえている赤ん坊は、もう一人前の人間なんだ” だから、中絶はよそう。
そう学んだ彼女だったが、赤ん坊を里親に渡すときのビジネスライクなセリフには、母性のカケラも見当たらない。
赤ん坊の受難は、まだ始まったばかりだというのに。
ジュノの気持ちは、もはや赤ん坊ではなく、あたらしい恋に向かって走りはじめているのはたしかだった。

 この妊娠出産でジュノが学んだことは。 
避妊の大切さ?  妊婦生活の大変さ!
子供を産んだが、親としての自覚を持たぬまま、相変わらず子供っぽく青春を謳歌している。

 まあ、若くて未熟な女子高生のこと、少々矛盾があるのは仕方がない。
だからこそ、身近にいる大人の判断が大事なのだ。
子供を見守り、社会の常識や育児についてきちんと教えてやるのが大人の役割だろう。

 ところが、ジュノのまわりにそんな賢明な大人は見当たらない。

 事なかれ主義の父親は、妊娠させた少年一家との諍いをきらって、誰にも相談せず、あっさり娘の選択に同意する。
そしてジュノの継母は、味方だと言いつつも、これ以上の面倒は御免だというのが本音らしい。
出産経験のある彼女なら、つっこんだ助言もできただろうに、あのぎくしゃくした親子関係では、それも望めないだろう。

 ”もし、自分がこの赤ん坊だったら、どう扱ってもらいたいか?”

 双方の家族が、きちんと話し合って決めるべきだったとつくづく悔やまれる。

 理想的だと思えた里親夫婦は、妊娠中だというのにあっさり離婚を決意する。
その後、出産経験のない女性が、たった一人で赤ん坊を育てていくという結末は、なんとも心もとなく不安が残る。

 今後、赤ん坊がたらい回しにされることのないよう、そして是非とも幸せな人生であるよう、私たちは祈るほかない。

 思春期の妊娠と里親制度のもつ危険性について、この作品は多くの問題を提起しているように思った。
 
 親の養育責任をいとも簡単に放棄する若者とその親の無神経な実態は、おしゃれで、皮肉っぽさを少しも感じさせないナチュラルな演出によってうまく包み隠されている。 
それなのに、ふと振り返ったとき、この深刻な問題は奇妙な違和感として確実に心の中に影を落としている。
 

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