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zoom RSS 「ツォツィ」

<<   作成日時 : 2008/03/28 13:50   >>

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「ツォツィ」
監督  ギャヴィン・フッド
出演  プレスリー・チュエニヤハエ  テリー・ベート


 アパルトヘイト廃止から10余年。 南アフリカ・ヨハネスブルグのスラム街では、今なお救いがたい貧困がはびこる。 教育はおろか、明日の命も保障されない若者たちは、簡単に人を殺し、人の物を奪って生きることに何のためらいも見せない。

 そんな一人、名前を明かさないことから ”ツォツィ”=不良 と呼び名されている青年が主人公だ。彼の瞳は、土埃り舞うスラム街のように濁っていた。
 
 運転している女性に発砲し、高級車を奪ったツォツィは、後部座席に赤ん坊を発見する。
 自宅に持ち帰ったものの、泣き止まない赤ん坊に困り果てた彼は、子持ちの未亡人ミリアムに拳銃を突きつけ、乳を飲ませろと脅す。

 言われるままに乳を飲ませ、見ず知らずの赤ん坊に優しく語りかけるミリアム。
その母性に、長く封印してきた彼の幼少期が甦ってくる。

 母は病気 (HIV?) だったが、幼い彼にとって優しい母と過ごす一時が何よりの楽しみだった。 
それなのに、ろくでなしの父親は、母の病気が移るからと強引に二人を引き離し、彼の愛犬まで虐待した。

 そんな貧しく荒んだ環境が、名無しのギャングを生み出したのだ。

 だが、赤ん坊とミリアムに出会って、彼は変わった。

 母との記憶は、赤ん坊の命の尊さを教え、かけがえのない母の愛に気付かせてくれるものだった。

 黒い服を白いシャツに着替え、赤ん坊を母親の元に返しに行こうと決心した彼。

 その顔は、子供のようにあどけなく、頼りなげに見える。
だが、泣き出す赤ん坊を気遣い涙する彼を見て、私は確かな変化を実感した。 

 犯罪者に銃口を向け、身構える若い警官。 生まれ変わった彼を信じ、将来に賭けてみたいと考える人々。 
それぞれの思いが交錯するラストは、息を呑む緊張感に包まれている。

 怒りに満ちた灼熱の大地を潤すオアシスのように爽やかな彼の涙。
そして、彼の見事な更生ぶりに、心洗われる思いがした。


 全編に流れるアフリカ音楽「クワイト」も、また観る者の心を大きく揺さぶり興奮を掻き立てるものだ。
彼らの不安や焦燥感、やり場のない怒りのパワーが、大きなうねりを伴い怒涛のように押し寄せてくる。
そんな陶酔感に浸るのも映画の楽しみの一つだと思う。
 
 

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映画『ツォツィ』
原題:Tsotsi これがアパルトヘイトのあった南アフリカのスラム街の現実なのか、世界一の格差社会といわれる国の現在なのか、まだ幼さの残る子供達の怖ろしい現実・・ ...続きを見る
茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行...
2008/03/31 00:57

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