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zoom RSS 「海を飛ぶ夢」

<<   作成日時 : 2008/01/10 17:05   >>

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「海を飛ぶ夢」
監督  アレハンドロ・アメナーバル
出演  ハビエル・バルデム  ベレン・ルエダ  ロラ・ドゥエニャス


 「尊厳死」の是非、「生と死」について、映画は問いかけているように思う。

 25歳の時、海の事故の後遺症から四肢麻痺になったラモンは、その後生活の全てを兄夫婦に頼って生きることになる。

 幸せの絶頂から、いきなり寝たきり生活になったラモンだが、幸い人間関係には恵まれていたようだ。
 貧しいけれどもまじめで責任感の強い兄夫婦と年老いた父、時々訪れてくれる数人の友人もいれば、彼に好意を寄せてくれる女友達までいる。

 だから、彼らの好意に報いようと、彼は努めて笑顔を心がけたし、不自由な手を口に持ち替え、器用に自作の詩を書きつづってもみた。
そして、時には想像の翼を広げ、大好きな海に飛んで行く夢をみる。
 
 こうして彼なりに努力してきたのだが、もはやこんな生活にも限界を感じるようになった。

 プライバシーのない生活は、なってみた者にしか分からないことだろうが、とても惨めで屈辱的。
しかも、夢は叶うどころか、諦めることのほうが多い。
とにかく本当にやりたいことは、現状のままでは絶対無理だと彼は悟った。

 そこで、死ぬこともままならない彼は、せめて「尊厳死」を認めてもらおうと訴訟を起こす。
 
 なぜなら、自殺する者は罰せられないが、自殺幇助は罪に問われるという現行の法律を変えないかぎり、彼の自殺願望は適わないからだ。

 その裁判を通じて出会った美人弁護士フリアに彼は恋をする。
恋のときめきは、彼をしばし幸せにしてくれるものの、その後の絶望感は耐え難いものだ。

 なかでも、印象深かったのは、四肢麻痺の牧師が、はるばる彼のもとを訪ね、自殺を思い止まるように、キリスト教の教えに従って強く生き抜くように訴えていた場面だ。
車椅子の牧師あいてに、感情を顕わにして声を荒げる彼は、いつもの冷静沈着な姿とは別人のように見えた。
もはや、何人も、神ですら手が付けられないほど彼の心は病んでしまったのか。

 そして、空しいラスト。

 死より辛い人生を葬り、新たな人生に旅立ちたいと考えるラモンのなみなみならない決意は、画面を通して痛いほど伝わってくる。 
だから、こんな選択もいたしかたないのではないかとも思える。
 
 またいっぽうで、熱心に介護にあたった家族の打ちひしがれた表情を見ると、彼の自殺は遺族に悲しみと同時に、後悔の念、消すことの出来ない罪の意識を植えつける結果になってしまったようでとても辛い。

 映画は、どちらの視点も過不足なく描ききることで、目をそらそうとする観客をスクリーンに釘づけにしてしまう。

でも、やっぱり答えはでない。


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『海を飛ぶ夢』を観たぞ〜!
『海を飛ぶ夢』を観ました事故で四肢麻痺となった主人公が、法律では認められていない尊厳死を求めて闘いを繰り広げる姿を通して、生とは何かを問いかけていくヒューマン・ドラマです>>『海を飛ぶ夢』関連原題: MARADENTRO    THESEAINSIDEジャンル: ドラマ上映時... ...続きを見る
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2009/03/23 23:28

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