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zoom RSS 「砂と霧の家」

<<   作成日時 : 2006/12/26 19:18   >>

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「砂と霧の家」  監督 ヴァディム・パールマン  出演 ジェニファー・コネリー  ベン・キングスレー

 誰もが持っている人間の欲望やエゴがもたらす家族の崩壊。 しばらく何も手につかない程重く沈鬱な気分に陥ってしまう。

 事の発端は、キャシーが税金を滞納したために差し押さえになった海辺の一軒の家。

 自堕落な生活を送っていた彼女には自業自得の結果ともいえるが、それは不当な差し押さえだったことに彼女は気づく。
父親から譲り受けたその家は孤独な彼女にとって、唯一守らなければならない財産であり誇りだと思えた。
 
 家の所有権を執拗に主張し自殺未遂まで引き起こす彼女は、新しい所有者一家を奈落の底に突き落としてしまう。

 一方、競売に掛けられていた彼女の家を買ったイラン人の亡命者家族。
家長であるベラーニは、政変に揺らぐ故国を追われアメリカに亡命してきた元大佐。日雇い労働者として日銭を稼ぐ身でありながら、軍の元権力者として体に焼きついた誉れ高きプライドを失うことはない。

 彼もまた、見知らぬ土地で家族の絆を守るため、家を手に入れた。

 キャシーに加担して、職権を乱用する警察官が家族にむかって銃口を向ける時 「我々は、静かなる勇者となろう。」 と静かに語るベラーニ。彼の勇気ある言葉も、銃にたよる卑怯な警官には届かない。

 何度も和解の糸口が見えているにも拘らず、どうして? キャシーに同情的だった優しい息子が犠牲になってしまうのか。

 生きる支えであった一人息子を失った夫婦は、死を選ぶ。
 アメリカ社会に生きる移民が直面する差別や厳しい現実を思い知らされる。

 もう少し早く、お互い理解しようと歩み寄っていれば。
 両者とも完璧な人間ではないにせよ、和解の道は十分あったはずだ。

 たかが家、されど家。 家と引き換えに失った彼女の良心。その代償はあまりに大きい。

 練り上げられた見事な脚本、それに命を吹き込む名優たちの素晴らしい演技にただただ圧倒された。





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映画『砂と霧の家』
原題:House of Sand and Fog  −悲しむべきは人の性か− 極めてシリアス、極めてハードボイルドな映画だ。登場人物が本当はみんないい人なのに、あまりに酷い結末を迎える。 ...続きを見る
茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行...
2007/02/06 01:34

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
まとめていくつかTBさせてもらっちゃってます、とくにこの「砂と霧の家」は衝撃的に素晴らしい映画で強く印象に残っています。これからもヨロシクです♪
たけちゃ
2007/02/06 01:39
胸を刺すような重苦しさの向こうに、不思議な感動が漂ってくる映画です。こちらこそ、ヨロシク(*^_^*)
つばめ
2007/02/07 17:57

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